【ぼくらのウソテレビ】
(「BOOK」データベースより)
「うち、テレビあるよ」
ぼくんちに、テレビがあるわけなんかないのに、そういってから、むねがドキドキしはじめました。大きなウソをいってしまったのです。 (本文より)
テレビがみんなのあこがれだった時代。見栄をはってついてしまったぼくのウソ。そのウソを救ってくれたのは、大きらいだったあいつの、やさしいウソだった……。
直木賞作家のねじめ正一が、実体験をもとに紡ぎだす、ぼくらの友情の物語。
[かんそう]
クラスメイトの5人ほどが主人公の家にテレビを見に来たけど実はそれは茶だんすで、カーテンを開けた瞬間嘘だとバレていまします。でもそれから、クラスメイトの一人のお父さんが大工さんなので、そのお父さんの道具をいっぱい持ってきてより茶だんすのテレビを本物っぽくしあげてそのウソテレビでスーパーマンごっこを一緒にして遊ぶのが読んでいて楽しそうでした。蒲田君っていう登場人物は最初はいいやなやつかと思っていたけど、蒲田君の嘘が自分を守るためでなく友達を守る嘘だったことが感動的でした 。
[Papa's view]
日常でつい言ってしまう小さな嘘。それが思わぬ形で騒ぎが大きくなってしまいますが、友人の一言で救われます。でもそれは、とても優しい嘘でした。「嘘」というテーマで、子供も大人も少し考えさせられるお話で、最後のエピソードはとても心暖まりました。